プログラミング言語Pythonを学ぶため、懲りずにまた書籍を購入した。
買ったのは「科学技術計算のためのPython入門」です。
購入理由は、やはり「入門」と書かれた本を探していたからです。
「科学技術計算のための」という部分が、ハードルを上げているような気がしますが見てみます。
どのような人に向いているか
「入門」と書かれていますが、他の言語経験の無い初心者向けではないと思います。
他の言語経験があれば、入門書として使えると思います。
Pythonを使用して科学技術計算を行いたい人や、高速に計算を行いたい人向けです。
内容はどうですか?
1章 科学技術計算とPython
なぜPythonを科学技術計算に使うのかがわかりました。
場合によってはCよりも高速に計算できることをいきなりベンチマークで示してくれます。
2章 ゼロからのシミュレータ開発
いきなりロケットのシミュレータを作り始めます。
この一連の流れでPythonによるプログラムの構築手順を見せてくれます。
3章 IPythonとSpyder
統合開発環境の使い方解説です。
統合開発環境を使うと開発効率は相当上がるはずです。
このあたりに触れた解説書は少ないため有用です。
4章 Pythonの基礎
ここまできてやっとPythonの基礎的な解説です。
一つ一つの項目にまったく無駄がなく、密度高く説明されてます。
C言語を例にした説明もあり、Cを学んでいる人は理解がしやすいと思います。
5章 クラスとオブジェクトの基礎
Pythonのオブジェクト指向についての説明です。
他の書籍のオブジェクト指向の説明で「犬も猫もオブジェクトだ」という解説を見たことがありますが、まったくピンときませんでした。
本書の説明は実直でわかりやすかったです。
6章 入力と出力
データの入出力方法の解説です。
7章、8章、9章、10章
科学技術計算に必須なライブラリ
Numpy
Scipy
Matplotlib
pandas
の解説です。非常に密度が濃いです。(良い意味です)
11章、12章
プログラムの高速化についての解説です。
Pythonでプログラムが書けるようになった先の話かもしれません。
プログラムの書き方で、これだけ速度が違うんだってことがよくわかります。
まとめ
他言語(特にC言語)を一通りマスターしている人向けです。
文書に一切無駄がなく、簡潔に一直線に説明がされています。(男らしい)
科学技術計算が目的なので数学的用語が多用されており、すべてを理解することは難しいのですが、それぞれの用語についても、その概要と必要性について簡潔に説明されており、実装の方法に目が向けられるようになっているため好感が持てます。(数学的に掘り下げて説明されるとかえってついていけなくなるので)
また、開発環境の使用方法やデバッグ方法、本格的な高速化手法についてもそのテクニックを惜しげも無く公開しており、Pythonを本格的に使用する人にとって有用な開発方法や、テクニックが満載されています。
私はこの本が気に入りましたので、しばらくの間カバンに入れて持ち歩いてみようと思います。
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